「日本の男性は家事を世界一しない」というニュースが話題になりました。
ただ、ほんの30年ほど前までは、他の諸外国でも「家事は女性がやるべきこと」
という考え方だったのです。
ではなぜ日本が家事の分担率が低いのか?
日本の実情をご紹介いたします。
1 男性の労働時間が長い 男性が家事をなかなかしない理由として挙げられる理由は、長時間労働です。
日本人男性の週当たりの平均労働時間が47時間ほど、女性が20時間のほぼ倍もあります。
このようなこともあり、拘束時間の少ない女性に家事の負担が偏ってしまっているのです。
日本人男性の家事の分担率を上げるには、労働環境の問題は避けては通れないでしょう。
2 男性が育児休暇を取得しにくい。 フランスやスウェーデンのような家事分担率が高い国々でも、最初から男性が
家事をする共働き世帯はそれほど多くありません。
子どもが生まれ父親の自覚が芽生えると同時に家事にも目が向くようになった
ケースが多いのです。
となると男性の育児休暇が必要です。
日本でも男性の育児休暇は存在しますが、取得率はわずか3%。
ですが、男性の68%ほどが、育児休暇の取得と希望しているという東京都の
調査結果が出ています。
60%近くの男性が育児休暇を取得したいけど我慢している状態が見えてきます。
労働環境の問題からも家事分担率に影響を及ぼしていることが想像できます。
3 家事への価値観が海外と真逆 海外では、家事に対して「ラクするもの」という認識。
一方、日本では「家事は丁寧にきちんとこなすべきもの」という風潮が見られます。
海外なら「忙しいなら仕方ない」で済むのです。
また女性にも「家事はきちんとやらないといけない」強迫観念が強いようです。
夫が休みに掃除をしても、主婦からしてみたら「こんなこと毎日やっているわ!」
といった気持ちでしょう。
少しでも汚れが残っていれば女性がやり直しをして、家事とカウントされないこともあるといいます。
海外と比べて家事のハードルが著しく高いこと、男女で家事に携わる頻度に隔たりがあることも家事分担率が低い理由の1つかもしれませんね。
4 専業主婦に社会的地位がある 家事への完璧さが求められている理由として、日本では専業主婦の社会的地位が認められていることが関係しています。
女性の社会進出が叫ばれている現在でも、専業主婦になりたい女性は一定数います。
「専業主婦にも給料が支払われるべき」と日本人は家事に対して価値を求めていることが伺えますね。
海外では「働いてこそ社会貢献、専業主婦は無職と同じ」との価値観です。
専業主婦は家事のプロフェッショナルという日本の価値観は、海外では理解されに
くいでしょう。
その結果「家事は毎日女性がやるもの」との意識はなかなか抜けないのです。
お休みの日に夫婦でやる趣味くらいの感覚になればもう少し家事の負担が減り、
家事分担率が上がるかもしれませんね。