照明は大きく「主照明」と「補助照明」の２つに分けられます。
主照明は、部屋全体を均一に照らすものを指します。主な種類としては、シーリングライト、ダウンライト、ペンダントライト、シャンデリアが使用されます。
対して補助照明は、特定の場所を照らすための照明です。ダイニングテーブルの上や、アート作品、足元を照らす照明などがその例です。スポットライト、ブラケットライト、間接照明、フットライトがここに含まれます。

主照明と補助照明の使い分け事例をいくつかご紹介します。

キッチン
主照明で空間全体を明るくし、作業する手元に影ができないように補助照明で調整します。
オープンキッチンの場合は、LD側に光が漏れ出し過ぎないよう配慮が必要です。
リビングダイニング
落ち着く空間を演出するために、ダイニングテーブルの上にペンダントライトを低めに設置し、適度な暗さを保ちます。一方で、ダウンライトを利用して部屋全体も明るくすることで、空間の利用の幅を狭めないようにします。
寝室
シーリングライトやダウンライトで基本的な照明を設置し、読書用にスポットライトやテーブルランプを追加することでリラックスと機能性を兼ね備えた空間を作り出します。
ホームオフィス（仕事スペース）
効率的な仕事環境をつくるために、ダウンライトを基本に、デスク上にはスポットライトやデスクランプを配置します。
このように部屋の用途に応じた照明計画を行うことで、家全体の快適性と機能性を高めることができます。

電球の色は、色温度で異なります。色温度はケルビン（K）で表され、この数値が高いほど白い光、低いほどオレンジがかった光となります。
主に家づくりで多く使用される「電球色」「温白色」「昼白色」の３種類をみていきましょう。

電球色（2700K）
•色の説明: 暖かく、黄色がかった、従来の白熱電球に似ています。
•雰囲気: 居心地がよく、魅力的で、リラックスした雰囲気を作り出します。
•最適な用途: リビングルーム、寝室、または暖かく快適な環境を促進したい場所。就寝前のリラックスを促すので、夜に最適です。

温白色 (3500K)
•色の説明: 暖色と寒色のバランスが取れた電球色と昼白色の中間の色。
•雰囲気: 暖かすぎず、寒すぎない、バランスのとれた落ち着いた光を提供します。
•理想的な用途: 冷たく強い色調ではなく、暖かさと明瞭さのバランスが求められる、ダイニングルーム、キッチン、リビングなど、適度に活動を必要とする場所。

昼白色 (5000K)
•色の説明: 明るい白。日光に似ており、より活力を与える効果があります。
•雰囲気: 日中の太陽の下にいるような明るく清潔感のある光です。集中力を高める効果があります。
•最適な用途: キッチンや勉強部屋、メイクをする場所。明瞭さと正確さ、集中力が求められる場所に適しています。

出典：パナソニックHPより
これらの色温度はそれぞれ異なる目的があり、雰囲気、視覚的な明瞭さ、空間の暖かさや涼しさの感じ方に影響を与えます。ニーズに合った適切な色温度を選択・組み合わせることで、部屋の機能性と美観が向上します。

照明の種類（デザイン）だけでなく、電球の色温度が部屋の雰囲気を大きく左右します。
それぞれの部屋の使用目的に応じて最適な照明を選ぶことが大切ですが、一つの部屋に複数の目的がある場合には、どう選んだらいいのか難しいと思います。そうした場合、ハレノイエでは、複数の組み合わせと、調色機能付き照明をご提案しています。

複数の照明の組み合わせ
一つの部屋に一種類の色温度の照明を設定するのではなく、複数の照明を組み合わせることで、部屋の多様な用途に対応します。
例えば、リビングではリラックスするための暖色系の電球色照明と、読書や手仕事をするための明るい昼白色の照明を補助照明として設置することで、時間帯や活動に応じて照明を切り替えられます。
調色機能付き照明の活用
複数の照明の組み合わせの代わりに、調色機能付きの照明にするのも一つの手です。
その時々の気分や時間帯・活動に合わせて照明を最適化できます。
出典：パナソニックHPより

適切な照明計画は、快適で機能的な住空間を実現する鍵です。
照明計画の失敗として聞くのは、照明が多すぎる（少なすぎる）ことや、用途に合わせた照明計画ができていないことで、勉強や仕事をするのに集中しづらい、逆にリラックスできなことが挙げられます。

これらの問題を避けるためには、プロの意見を参考にしながら計画的に照明を配置することが大切です。デザインと機能性を考慮した照明を選択し、より魅力的な空間を創りましょう。